年頭所感
日本建設組合連合 会長 馬場章年
date:2012/01/11
平成24年の年頭に当たり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中は、日本建設組合連合及び建設連合国民健康保険組合、日本建築業国民年金基金の事業運営に対し、格別のご支援、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年は、東日本大震災を始めとして、新潟・福島豪雨や紀伊半島の大水害等、様々な自然災害が多発し、改めて我が風土のおかれた厳しさと脆弱性が浮き彫りとなり、災害列島であることを強く認識させられました。犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された方々に謹んでお見舞い申し上げます。
我が国のインフラ整備に於いて、防災及び減災対策の重要性とそれらの計画的な維持更新の必要性及び予算確保は、言うまでもなく優先順位の高い重点政策であり、建設業が社会資本整備の中核的担い手として、災害時の応急復旧活動等により国民の生命及び財産を守るという重要な役割を、今後も果たしていかなければなりません。
世界経済は、愈々不確実性を増し、サブプライム危機後の世界経済の混乱は、欧州の政府債務危機という新たなる局面に直面しています。未曽有の大震災及びタイの洪水による部品や素材の供給網の寸断、超円高と原発事故後の電力供給の制約等、我が国の産業にとって試練の年が続くと思われます。
デフレと超円高は雇用を直撃し、リーマン・ショック以降、正社員は減少しており、相対的に低賃金と雇用の不安定な若年層の非正規社員と失業者が増加しています。少子・高齢化が急速に進展し、生産年齢人口が減少する時代に入りましたが、斯様な雇用情勢では、将来不安から支出を控える行動になりがちであり、その支出の抑制が一層デフレを促進する構造となっています。
長期化するデフレ下に於いて、企業の売上高と利益はともに減少し、必然的に給与所得も減少傾向となります。若年世代は、本来、高齢者の保険や年金等の社会保障制度を支えるべき世代ですが、その世代の雇用が不安定で、労働生産性が低ければ、社会保障制度は成り立ちません。
建設業に従事する者が、自信と希望が持てる業界であり続けるための不断の努力が必要とされており、国民生活や経済活動の基盤創りを担っている組合員の社会的地位と技術向上のために絶えず邁進していく覚悟ですので、倍旧のご支援を賜りますようお願い申し上げます。